この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
夫から「妻が浮気しており、離婚したい」との相談を受けました。夫は妻の浮気について、LINEのやりとりなど証拠を揃えていましたが、気がかりなのはお子さんの親権でした。夫は「浮気をするような妻に子どもの親権を渡す訳には行かない」と、お子さんのことを第一に考えていました。幸い、夫は以前からお子さんの面倒をよく見ており、特に、妻が浮気を始めた後は、家を留守にしがちなため、妻よりも良くお子さんの世話をしているような状態でした。
解決への流れ
(1)意思確認お子さんは2人おり、中学生と小学校低学年でした。夫にお子さんの意思を確認してもらったところ、2人ともお父さんに懐いており、お父さんについていきたいということでした。特に上のお子さんは、浮気をしたお母さんに呆れているようでした。(2)裁判外の交渉離婚条件について夫と私で検討し、財産分与はしない代わりに慰謝料の請求もせず、お子さん2人は夫が親権者になるという条件を提示することを決めました。養育費はこちらが請求する側になりますが、実際に請求する意思はないため、あえて条件は何も付けませんでした。面会交流は話し合いの上、行うということにしました。私から妻に連絡しても良かったのですが、事を荒立てずスムーズに親権を獲得するため、あえて夫が自ら妻と話し合うことにしました。浮気の証拠を突き付けられた妻は観念し、こちらが提示した条件による離婚に応じました。
妻があっけなく親権を手放したのが意外でした。お子さんの年齢が中学生と小学校低学年ということで、仮に親権が争点になった場合、中学生の方はともかく、小学校低学年では裁判所がどの程度本人の意思を重視するか不明なため、不安があり、事を荒立てない処理方針にしました。もし親権が争点になった場合は、調停・訴訟をしている間に低学年のお子さんが高学年に達する見込みなので、長期戦を覚悟するつもりでしたが、早めに解決できて幸いでした。