この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
相談者は，夫によるDV相談は警察にしていましたが，身体への肉体的なDVについては，打撲程度で，通院しておらず，立証が難しい状態にありました。他方，精神的なDVについては，夫からのメールから窺えました。ただし，これが裁判上の離婚原因となるかについては困難が伴うことが予想されました。夫は，離婚そのものを争っていました。子供2人です。
解決への流れ
離婚訴訟では，相手方（夫，被告）は，離婚原因そのものを争ってきました。私が代理して訴訟提起前後に行ったDVによる保護命令決定を受けていたことが決定的に当方に有利な証拠となりました。むろん，相手方（夫）は，DVによる保護命令に対しても争い，即時抗告までしました。が，高裁の抗告審でも当方が勝ちました。これが，結局，離婚訴訟の結果に大きく影響しました。それで，離婚訴訟は，相手方（夫側）は，高裁まで争いましたが，結局，こちらの全面勝訴となりました。
本件では，夫からのメール，通話記録等が当方の主張の証拠となりました。かつ，夫側は，訴訟において，当初，本人訴訟をしていたため，それが相当有利に働きました。訴訟において，特に離婚訴訟は，弁護士に頼まず本人（当事者）だけでできると勘違いしている人がいますが，それは「負け」を覚悟しなくてはならないと思います。弁護士からすると，法律の素人である本人（弁護士を頼まず）を相手にする場合，その力量に大人と子供くらいの差があることを認識して欲しいと思います。本件でも，訴訟の当初から相手方に弁護士が付いていた場合，勝敗の結果は分からなかったと思われます。争いがある場合，離婚問題に通じた経験豊かな弁護士に依頼するのがベストです。