この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
相談者様は、追突事故に遭った後、通院治療を受けていく中で、加害者側の保険会社から、「相談者様は、法人から役員報酬を貰っており、収入の減収が認められません。そのため、休業補償はできません」と言われました。確かに、相談者様は、節税の関係で法人成りしていましたが、いわゆる一人親方で、実質的には個人事業主の働き方と変わらない状況でした(相談者様が通院により仕事を行えなければ、法人は仕事を得ることができません)。そこで、一定程度でも休業補償は得られないかと、当事務所へご相談に来られました。
解決への流れ
確かに、形式的な法律論としては、法人の役員については、役員報酬の減収が認められない場合、法人に損害が生じたとしても、事故被害者個人に損害は発生していないこととなります。しかし、実質的には個人事業主と何ら変わらないという点から、弁護士が賠償請求を代理し、交渉を行うこととなりました。担当弁護士は、すぐに相談者様から会計資料・取引先との資料等、必要な証拠を収集し、相談者様が実質的に個人事業主と何ら変わりないことを示し、保険会社に対し粘り強く交渉を行いました。結果、保険会社は休業損害を認め、賠償金の支払いが行われることとなりました。
交通事故の分野では、個人事業主の方の休業損害は、問題になりやすい分野であるといえます(法人成していなくても、保険会社と揉めるケースがしばしば見られます)。弁護士が介入していない段階では、適切な証拠や主張を保険会社に伝えることができず、保険会社が素直に認めてくれるケースは少ない分野であるため、少しでも不安に感じたら、法律事務所へご相談に行かれることをお勧めします。