この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
被相続人の生前に,被相続人名義の預金口座から,不明瞭な多額の出金がある。財産管理をしていた親族が取り込んだ疑いがあるので,取り戻したい。
解決への流れ
まずは被相続人が,出金当時,判断能力があり,真意で,出金を承諾していたかを調査するために,役所で,要介護認定記録の謄写を申請して,これを取得し,どの時点で,判断能力がなくなったのかについて検討した。これと並行して,被相続人の預金口座の過去10年間の取引履歴を取得し,不審な部分をピックアップし,判断能力の点とあわせて,相手方に説明を求める内容証明郵便を送付した。相手方がこれに応じなかったため,不当利得返還請求訴訟を提起した。その後,相手方の説明が不審な点があったこと,判断能力がなくなっているのに,後見申立ても検討せず,このような出金を繰り返したことが明らかになり,最終的には,こちらに金銭の支払いをする形での和解が成立した。
生前に財産管理を一部の親族のみがしているケースでは,同様の疑いがあることが多く,その相談も少なくありません。十分に調査し,相手方の弁解を許さないような形で,交渉,訴訟をすすめていくことが重要と思います。